CASE STUDIES
導入事例
導入事例:敷島製パン株式会社
毎日の食卓を支えるものだから、
システムは1日たりとも止められない。
名古屋市に本社を構える大手製パン企業の敷島製パン株式会社(以下、敷島製パン)。同社が展開する「Pasco(パスコ)」ブランドは国内を代表するブランドとして広く知られ、中でも「超熟シリーズ」は多くのファンを持つ商品として人気を博しています。
敷島製パン株式会社
- 概要
- 1920年創業 従業員数3,849人(※2022年8月現在)
愛知県名古屋市に本社を置く製パン会社。国内の製パン業界で高いシェアを占め、製パンの大手3社を構成する。「パンづくりで社会に貢献する」という理念を大切に、社会の変化に合わせてさまざまな事業を展開。
- 対象エンドポイント数
- 約2,500台
- 導入製品・サービス
- Cybereason EDR / Cybereason MDRサービス(Managed Detection and Response = 脅威検知と対応のマネージドサービス)
ネットワークセキュリティ対策だけでは最新の脅威を防ぎきれない
SPS推進部 部長
井本 洋介 氏
同社ではあらゆる業務でICTシステムを活用しており、2016年には業務効率を抜本的に改革すべく、オープンアーキテクチャをベースとした新基幹システム「スマート・パスコ・システム(SPS)」の稼働を開始しました。現在このSPSの運用をはじめとする各種ICT施策は「SPS推進部」が担っており、情報セキュリティ対策についても同部が管理しています。SPS推進部 部長 井本 洋介氏によれば、かつてはいくつかの点でセキュリティ対策上の課題も抱えていたといいます。「PCやサーバーなどのエンドポイントにはアンチウイルスソフトを導入していたのですが、最新の脅威に十分対応できているとはいえませんでした。そこでこれを補うためにNDR(Network Detection and Response)製品を導入してネットワークセキュリティ対策を強化したところ、これまで可視化されなかったさまざまなリスクが社内に潜んでいることが分かりました」
「Cybereason EDR」の導入でエンドポイント対策の強化に乗り出す
SPS推進部 部長付課長
吉安 壮真 氏
ただし、同社の取引先でもランサムウェアに感染する事例が発生するなど、世界的にランサムウェアの被害が多発していました。SPS推進部 部長付 課長 吉安 壮真氏によれば、こうした事態に同社の経営陣は危機感を募らせていたといいます。「弊社は食品を扱う業態上、在庫を持つことができず、必要な分の製品を必要なタイミングで工場で製造する必要があります。そのため1日でも工場が停まってしまうと商品がほぼ出荷できなくなり、お客様に多大なご迷惑をお掛けしてしまいます。そのため事業継続計画の一環としてのセキュリティ対策は、極めて重要な意味を持っています」
そこで従来のネットワークセキュリティ対策に加え、エンドポイント対策の強化もあわせて行う必要があるとの結論に至り、新たにEDRを導入することにしました。早速主要なEDR製品を幾つかピックアップし、それぞれの機能や実績、コストなどを比較検討した結果、最終的に「Cybereason EDR」の導入を決めました。同製品を選んだ理由について、吉安氏は次のように述べます。「それまで利用してきたNDRは運用のハードルが高かったのですが、Cybereason EDRはサイバーリーズン社のGSOC(グローバルSOC)が24時間365日体制で当社の環境を監視してくれるMDRサービスを提供していたため、比較的容易に導入・運用できるのではないかと考えました。また国内における導入実績が豊富だった点も、主要な選定理由の1つでした」
さらに導入を決める前に、サイバーリーズン社のイベント等で既にCybereason EDRを導入・活用している企業のセキュリティ担当者から直接話しを聞く機会が得られたことも、導入の決断を大きく後押ししたといいます。
自社環境の安全が保たれていることを常時担保できている安心感
早速Cybereason EDRの導入に着手した同社でしたが、導入作業を担当したSPS推進部 企画グループ 山田 瑞希氏によれば作業自体は極めてスムーズに運んだといいます。「大半のエンドポイントに対しては、IT資産管理ツールを使って速やかに導入することができました。一部特殊な仕様の端末や、オフラインで利用されている端末への導入には少し時間がかかりましたが、最終的には半年間ほどで全国の拠点に散在する約2,500台のエンドポイントへの導入が完了しました」
こうして同社は2022年9月から、Cybereason EDR/MDRを使ったエンドポイント監視体制の本格的な稼働をスタートさせました。Cybereason EDRがアラートを検知した際には、担当者に即座にチャットで通知が飛び、すぐにCybereason EDRのコンソールをチェックして状況を確認する運用体制をとっています。現在のところ、幸いなことにCybereason EDRが深刻な脅威を検知したことはありませんが、自社環境が安全に保たれていることが常時担保されている「安心感」が得られるようになったと、吉安氏はその導入効果を高く評価します。「エンドポイント以外のセキュリティ対策も抜本的に見直したおかげで、かなり安全な環境が実現できています。そのためCybereason EDRが上げてくるアラートも無害のものがほとんどで、自社環境の安全が保たれていることを確認できていますし、万が一侵入を許してしまったとしても最終的にEDRが守ってくれるだろうという安心感が得られたのはとても心強いです」
SPS推進部 企画グループ
山田 瑞希 氏
今後は他のセキュリティ製品との連携やXDR導入も視野に
こうしてCybereason EDR/MDRの導入によって情報セキュリティ対策の底上げを実現した敷島製パンですが、今後は他のセキュリティ製品とあわせて運用することで、さらにその導入効果を高めていきたいとしています。「今後はCybereason EDRのログと、他のセキュリティ製品のログと連携させて分析することでさらに高度な脅威を検知できる体制を実現したいと考えています。さらに弊社では現在、業務システムのクラウド移行を計画しており、クラウドを含めたエンドポイント以外の環境を効果的に監視できるXDRの導入も検討しています。(吉安氏)
Q&A
EDRへの投資の了承はすんなり得られましたか?
取引先がランサムウェア攻撃を受けて多大な被害を被ったことにより、セキュリティ対策の強化の重要性について経営陣にも十分理解してもらえました。
機能や実績、コスト以外に選定ポイントはありましたか?
サイバーリーズン主催のユーザー会などのイベントが定期的に開催されていて、オープンな場でさまざまな情報を収集できる点も選定理由の1つでした。
製品のどの機能が有用だと感じていますか?
Cybereason EDRのコンソール上で参照できる「アタックツリー」で脅威の振る舞いを詳細に把握できるので、調査をかなり効率的に実施できるようになりました。
課題と導入の効果
- Beforeエンドポイント対策がアンチウイルスだけで手薄だった
- AfterEDRの導入でエンドポイント対策を大幅に強化できた
- Before他社でランサムウェアの被害が多発しており対策が急務だった
- After既存のセキュリティ対策とあわせて自社環境の安全性を担保
- Before手間を掛けずに運用できるセキュリティ製品を求めていた
- AfterEDRとあわせてMDRも導入することで監視業務をアウトソース